8 類似商号調査(原則不要)
従来は同一市町村内に、同じような名称の会社が既に存在していた場合、会社設立はできませんでしたが、新会社法では、同一住所でない限り、会社設立は可能になりました。よって原則、類似商号調査は不要です。
しかし、近隣に同じような名称の会社が存在しないかどうかは調べておく必要があるでしょう。万一、同じような会社が存在した場合、不正競争防止法の規定により、商号の差し止め請求、損害賠償請求をされる恐れもあります。予期せぬトラブルを防止するためにも、調査は行った方がよいでしょう。
9 目的調査
従来目的調査は非常に面倒なものでした。「明確性・具体性」の要件があり、抽象的な会社目的では登記ができませんでしたので、会社目的の妥当性に関しては、慎重な調査が必要でした。
今回の改正により、明確性・具体性の要件は問わないという方針が明確にされたため、以前のように厳格に取り扱うことはなくなりました。
しかしあまり不明瞭ですと、登記簿をみた取引先に不信感をいだかせますので、やはりある程度具体的に記載する必要があるでしょう。
10 印鑑をつくる
個人にも実印があるように会社にも実印が必要です。
会社印4点セットといえば「代表者印」「銀行印」「角印」「ゴム印」のことを指します。
また会社設立には印鑑証明書が必要ですので、もし個人の実印をお持ちでない方は個人の実印も必要です。値段は店によってかなり違いがあります。
参考
代表者印・・・会社の実印。登記や重要な書類に押印する。
銀行印・・・金融機関での預金の引き出し等に使う。
角印・・・領収書等への押印など日常業務に使用。
ゴム印・・・日常業務に使用。分離式を購入すると便利。
11 定款を作成する
会社の憲法である定款を作成します。通常はパソコンを使って作成します。もれなく必要事項を記載する必要がありますので、なかなか慣れていないと作成が難しい書類です。
12 定款の認証を受ける(株式会社のみ)
公証人役場で定款の認証を受けます。認証を受けて初めて定款が有効なものとなります。この際4万円収入印紙を貼り付けます。別途手数料5万円程度も必要です。
電子定款にすれば、印紙代4万円が不要になりますが、一般の方が電子定款を作成するのは、費用、設備面でかなり難しいと思われます。
13 払込証明書の作成
従来は会社を設立する場合は資本金を銀行に払込み、銀行から「出資払込金保管証明書」を交付してもらう必要がありましたが、原則不要となりました。
発起人代表の通帳のコピーで代用できるようになり、日数・費用ともかなり節約できるようになり、資本金もすぐ使用できるようになりました。
ただし資本金を振込方法には一定のルールがあり、ルールに違反すると出資と認められない場合もあります。
14 設立登記
必要書類を全部作成したうえで必要書類を提出します。書類の枚数は規模に応じて異なりますが、かなりの枚数になります。問題がなければ1週間程度で登記が完了します。
会社設立が完了したら、登記簿及び印鑑証明を複数枚取得しておきましょう。
その後
税務署への届出、都道府県税事務所への届出、市町村役場への届出、年金事務所への届出、労働基準監督所への届出、ハローワークへの届出等が必要です。許認可が必要な業種は許認可手続きも必要です。
設立時も設立後もかなり時間と労力と専門的な知識が必要になりますので、専門家に関与してもらうと費用はかかりますが、時間と労力の大幅な削減でき、その都度各種助言を受けることができます。
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